『ビリー・ザ・キッド 21才の生涯』

ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 特別版 [DVD]

観るのは3回目くらいかな。明日から仕事だというのに眠れず見てしまった。昔の民放の深夜に放映されていたのを思い出したなあ。
ジェームス・コバーン扮するパット・ギャレットは、『ワイルド・バンチ』のロバート・ライアンであって、同工異曲といえる。作品の焦点が、コバーン=ライアンに当てられている点が大きな違い。コバーンはかつて自分が属していたビリーおよびその仲間たちの世界から決別したが、そのことについて確信を持てずにいる。その惑いをエンエンと見せ続けるペキンパーが感情移入しているのは明らかにビリーの側なのだが、視点がパット・ギャレット側なために『ワイルドバンチ』や『ケーブル・ホーグのバラード』などに比べると中途半端な印象を受ける。しかし、その女々しさこそが本作の魅力であって、ボブ・ディランの素敵なお歌とあいまって快感なわけですなあ。