今日は待機だワン。
朝から総回診して昼から病院でネットサーフィンです。
例の奈良県の片田舎の母体死亡事件は随分と話題になっておるようだ。
いずれこんなことが起こるのは現場の人間はみんな知っていたし、別に驚くことじゃない。
スタンドアローンの産科医が未だに存在していることのほうが驚きである。
詳細は新小児科医のつぶやきに詳しい。
というかよくまとまっていると思う。まあ、まとめるという行為自体が危険なんですけどね。


受け入れ不能なのは、しょうがないですね。僕自身は、受け入れる側の病院に勤務していて、まあ今日も緊急手術に備えて待機しておるわけです。病院の偉い人たちは搬送要請を断るなと言ってくるけど、無理なときも多々あるよ。当院は相当なマンパワーを有していると思うが、それでも休日夜間に心外や脳外や産科が並列で緊急手術してたら、それ以上は受けられないよ。緊急手術対応のオペナースの人員も限られてるし、麻酔科医は完全に疲れ切ってるし。そんなときには骨折とかパンペリって平気で何時間も待たされるからね。骨折とかパンペリだったら待てるからいいんやけどね。そんな情況になっているときに本当に待てないような心臓とか頭とかカイザーを受けること自体が患者の不利益になるからね。罪なことやと思うけど、病院幹部や公務員は外に対していい顔したいから、断るな全部受けろというんやけどね。

救急断っちゃいけないから、救急用にベッド空けるために、当院では予定手術の患者を相当無理をして早期退院させている。内科だってEMRだったら1日ぐらいしか入院させてない。どうしてそんな無茶ができるかというと、療養型の病院とかが転院を引き受けてくれるからである。数年後にはそういった受け皿は激減し、当院もベッドが回らなくなるだろう。救急も、満床です、と言って断るようになるだろう。奈良や大阪での出来事は他人事ではないよな。