凡人は、初めにそれが実行可能かどうかを考えて、できそうなことだけをやろうとする。夢を持って馬鹿になれないのである。
一方、夢を持つ大馬鹿野郎は、それを実現するためには何が必要かを考えて実行する。目標から逆算して行動をおこすのである。
そんなことは俺にはできない、なんて考えはない。
しかし凡人は初めから諦めていて、できそうなことしかやろうとしない。
だから俺は今日もPDの前立ちをしている。PDなんて自分が術者としてやれるなんて思っていない。いや、そのうちできるだろうとか思ってるが、今できないことはいつまでたってもできないのである。
PDなど、自分が執刀すると思って本気でイメージトレーニングしたこともない。せいぜい手術書で手順をなぞるくらいである。
だから膵腸吻合のときにしばしばチンプンカンプンになるのである。


そして今日はさびしく救外の当直。凄い外科医はこんな下働きなどしてないのにな。俺は一生、こんなんだろうな。