これだけおいしい素材なのに、落ち着きなくチャカチャカ動き回るカメラと音楽のために、映画としての完成度はまことに低いといわざるをえない。
それでも観終わった後になんともいえぬ余韻を残した。帝王のごときサモ・ハンのためでもあるし、柄にも無く血まみれで床を這いずり回ったサイモン・ヤムのおかげでもある。かっこつけすぎなドニーさんが、それでもなお超カッコイイためでもあるが、初めて見るウー・ジンの切れ味の故ではない。
ラストに関しては、トドメをさすのを忘れてはいけないということではなく、トドメをさしていないのを忘れてはいけないということだ。