今日は朝から夕方まで肝切の鈎引き。さすがに7時間立ちっぱなしはこたえる。まだ20代ですけどね。
肝切で水滴バイポーラーを使用しない場合、2助手が電気メスに合わせて水をかけなければいけない。
加えて今日のように出血量が多いときは、吸引も大変。
片手に吸引管、片手に注射器を持って、術者の罵声を全身で受け止めなければいけないのである。
2助手のことを鈎引きとも呼ぶが、ほとんど鈎を引いていなかったと思う。
ハサミやバイポーラーを持たずに結紮だけしていればいい前立ちのほうがラクかもしれない。

しんどい手術の時は、今夜はどこでどんな酒を飲んでやろうか、なんて考えて己を元気づけることにしている。

そうして夕方から病棟の処置雑用をさらりとこなした。
一昨日から1学年上の同僚が転勤でいなくなってしまった。
俺は取り残されたのであって、逃げ遅れたのだ。
彼の縫合した創の抜糸をしていたら猛烈にさみしさがこみあげてきて、どうしようもなくなって、ひとり夜の街へ飲みに出かけてしまったのである。
これもまた家庭崩壊への一歩である。