『クォータリーあっと2号』

クォータリー あっと 2号

柄谷の連載は、レーニンの永続革命とトロッキーの集権的組織論の出会いは最悪の組み合わせであった、それを苛烈に押し進めたのはほかでもないスターリンであったというお話。

上野千鶴子の論考は、「高齢者の介護って本当にしなきゃいけないの」という危険極まりない問いから始まる。もちろん高齢者介護に明らかな根拠などない。昨日の日経の「安心航海図」で、上野女史は「そして今、最も興味があるのが介護分野。自分が老いたからです。女性と高齢者はどちらも社会的弱者ですが、悪いのはその存在を問題視する社会の方。弱者が弱者のまま尊重される社会であればいい」と述べている。困難の問題だけどこんな頭のいい人が取り組んでくれるのだから、それなりの成果を期待してもいいよね。

その他の文章は、在日外国人のこととかが多かった。私にはぴんとこないことばかりだったけど、今の日本にはそういう問題もあるのだと知っておくのは悪いことではなかろう。日本という国が人口減少とそれに伴う国力低下を受け入れられないなら、移民だって真面目に考えるべき事案だし、それに備えて問題意識だけは持っておきたい。