午前雑用の嵐。
午後腎摘を少し手伝った後に、アッペが2件あり真夜中までかかった。
1例目はチョロアッペ、穿孔してたけどね。
2例目は腐れアッペ、腸切したよ。
急性虫垂炎、いわゆるアッペ、俗に言う「盲腸」は簡単な病気と考えられているが、当科では最近は穿孔してないアッペはとんと見かけない。
その要因として、当院ではアッペを疑ったら何も考えずにCTを撮ることがある。
それによってまず、アッペと思って開腹したけど憩室炎とか付属器炎だったということがほぼ無くなった。ちなみに術前診断アッペで開腹した症例のうち1割まではそのような見込み違いは許容されるというのが定説である。
さらに造影CTにより炎症の程度がかなり正確にわかるので、軽い症例やアッペかどうか確信の持てない症例は保存的治療に回ることになった。ただしマンパワーに余裕がある時はラパロですることもある。ラパロならアッペじゃなくてもあまり悲しくはない。
またルンバールでできちゃうようなチョロアッペは休日夜間に人を集めてやるには点数が少なすぎるので、保存的にいくことになる。
というかみんな予定手術だけで手一杯なので無駄な緊急手術はしたくない。
あるいは最近の抗菌薬は切れ味が良くて軽いアッペなら余裕で蹴散らせる。しかしそこからこぼれ落ちた症例ではひどいことになっている場合が多い。

などなどの理由により当科でアッペといえば全麻で大きめに開けてしっかり洗浄してドレーンもたくさん入るという手術になることが多い。