今日はHPDの鈎引きだった。
途中でPDはしないことに方針転換となるも、やっぱりとんでもなく時間がかかった。
肝胆膵の大手術においては多くの場合、私が一番下っ端になる。
だから術中上手くいかないことがあると、とりあえず私か直接介助ナースが怒られる。とりあえず私が悪いことになって事態が進行する。
第2助手だと吸引するのも出血点から遠くて、また角度的に難しいし、腸ベラとか手を突っ込んで術野を作るのだって関節やら腰やらに相当な負担がかかる。それも今日のように9時間ノンストップとなるとおなかいっぱい。
まったくこの数か月でどれだけの血液を吸引したことか。吸血鬼もびっくりだ。

まあこんなこと4年以上やってきているわけですけど、最近それがとても精神的に辛くなってきた。体力的にもきついけどそれはまだ大丈夫。体力よりも「いつまでこんなことしなけりゃいけいの?」とか「いつになったら肝切やPDを執刀できるようになるの?」とかいう疑問を抱いてしまうことが耐えがたい。「俺何やってるんやろ」と我に返ってしまう瞬間が悲しい。

ベテランの先生たちからしたら「4年や5年で泣きごと言ってんじゃねえ!」ってことになるんでしょうけどね。
確かに私は根性無しで体力も無いほうだ。
きっと外科向いていないんだろう。

ただしラパコレとかマーゲンとかコロンとかでそれなりに外科医として生きていくことも可能なわけで、だんだんと厳しい大手術に対する情熱が失われていくのを感じている。