昨日、妻が「そろそろ外貨預金の買い時ではないか」というのであった。
さすが元銀行員である。
外貨預金は、外貨MMFや低レバレッジのFXと比較すると、ぼったくり商品で、ほとんど詐欺なのであるが、まあそのようなことは知らないらしい。

外貨MMFだと、ぼったくりで有名な野村證券ですら、片道で1米ドル50銭の為替手数料、最安の松井証券なら20銭である。
外貨預金は片道1円であるから、そうとうな円安にならない限りせっかくの高金利も吹っ飛ばされてしまう。
そして為替リスクはどちらも同じである。手数料が高いからボラティリティがマイルドなんてことはない。

なんてことを考えていたら本日の日経の「冬のボーナスは何に使いますか?」のコーナーで、外貨預金は国内株式に次いで2位であった。FXや外貨MMFはかなり低い順位だ。そしてFXは人気後退商品の4位にランクされていた。わけわかんねえ。

関係ないが、今日の日経に東大の教授だかなんだかよく判らない人の、医師不足についての論考が掲載されていた。非医療従事者なのにまともなことが書いてあった。
「クレーマーおよびその予備軍に対する説明で時間をとられすぎるのではないか」「東京都の小児医療無料化政策は、不必要な受診を増大させて小児科医の負担を厳しくしているのではないか」などなど。


さらに関係ないが、今月の「私の履歴書」は野村證券元会長の田淵節也氏である。戦後を生き抜いてきた御仁の言葉は重い。デイトレを「いつの時代にもある熱病のようなもの」と切り捨て、バブルを証券会社が後押ししたのではないかという風潮について、「証券会社にそれを止める力はなかったし、そんなことも期待されていなかった」とあっさりかわしという具合である。間接金融中心の本邦にあって、証券会社の地位向上に力を尽くしてこられたのだなあと思った。そしてその成果には満足していないようであり、氏の無念も伝わってくる。