『ボーン・スプレマシー』

ボーン・スプレマシー [DVD]


カーチェイスは良い絵がたくさんあった。ブンブン振り回すカメラは好みではないけどね。


ポール・グリーングラスはこの後に、傑作ユナイテッド93を撮るのである。そこでの細かいカット割りは臨場感があって大変よろしゅうございました。

しかし本作の場合はよろしくない。カメラ振り回してカットを割るのは、このようなテクニック満載のカーチェイスの場合、「ほんまにちゃんと車で追っかけっこしてるんか?」という疑問につながる。カーチェイスで興奮するのは、スタントマンが体を張って本当に運転しているからであって、適当に編集でごまかしているのだったら興醒めである。

個人的に良かったのは、フランカ・ポテンテの死に様ですな。焦るボーンに対して「そない心配せんでも大丈夫やって!」と説得を試みるも次の瞬間に死亡。最期の一言もなく死亡。ボーンも割とあっさり諦めて逃亡。泣きたい症候群の観客の皆様には、逃げおおせた後に思い出の写真を焼く場面を用意するという周到さ。