PRESIDENT (プレジデント) 2007年 12/17号 [雑誌]

PRESIDENT (プレジデント) 2007年 12/17号 [雑誌]

PRESIDENT (プレジデント) 2008年 12/15号 [雑誌]

PRESIDENT (プレジデント) 2008年 12/15号 [雑誌]

プレジデントの12月15日号に「頼れる病院 危ない病院」と題して手術件数ランキングが掲載されている。
当院もこそっと載ってます。アンケートの一部が私のところにも回ってきてました。

食道癌以外の消化器外科手術では単純な手術件数はアテにならないのだが、宣伝効果は抜群なのである。
対患者よりも対医者(主に後期研修医)の宣伝効果が凄かった。
今年は、当科はシニアレジデントの見学者が激増したが、この雑誌のおかげだと思う。

大腸癌のランキングでおかしなところがひとつあるので指摘しておく。
直腸癌の括約筋温存率が極端に高い病院と低い病院に二極化していることにお気づきでしょうか。
これは、肛門括約筋温存手術の意味を経括約筋的切除(intersphincteric resection;ISR)という意味にとったか、単に肛門が残っている、すなわち腹会陰式直腸切断術ではないという意味と考えたかの違いである。
前者ならば、下部直腸癌だけが対象なのでその数字は極端に低くなり病院によってはゼロである。後者ならば上部直腸やS状部まで含まれるのでその数はとても多くなる。

でも普通、括約筋温存といえばISRのことでしょ。単にマイルズでない手術件数知りたいなら肛門温存と聞けばいいのにさ。
また、きれいにTMEすればかなり低い症例でもDSTでいけるので、レベルが高い病院では意外とISRが少なくなるのだ。

というわけで当院は括約筋温存率低いです。

それからStageⅣでも手術が普通に行われる大腸癌で、在院死を単純に集計しても意味ないです。SatgeⅣ大腸癌で原発巣切除後に急速に転移巣が増悪して亡くなることは時々経験します。それを術死と言われるとつらいです。