本日の日経は素敵なくらい医療記事満載でしたね。

でもその前に昨日の「患者の目」の小橋健太氏のエッセイに感動したことを申し添えておく。今の日本にこれだけの覚悟を備えている人がどれほどいるだろうか。

まずは、聖地奈良県大和郡山市の某病院、生保患者に不要手術疑惑。まあ関西にはこういう生保、行旅の受け皿になる病院が多数あるのは事実です。こういう病院では売上upのため、ちょっとでも必要かなと思った検査は全部やっちゃう傾向があるでしょう。どう見てもいらんやろという検査までやってるとこは無いと思うけど、この病院はそうだったのかもしれません。でもでもでも、結果悪ければ、検査してなかったことを叩かれるご時世なので仕方ないのかもね。

続いて、「領空侵犯」では松井証券の偉い人のインタビュー。医療をコストと考えるのでなく、産業と考えてはどうかという提言。うーん、内需拡大という観点からも好ましいかも。もちろん混合診療解禁にも積極的なわけで、そして医師会が抵抗しやがるという懸念も表明されております。

特集記事「蘇れ医療」では、ソーシャルワーカーがガン難民のお世話で大変というお話。医師のコミュニケーション不足で大変とのことです。えーと我々お医者さんは事実を率直かつ懇切丁寧にお話するだけでして、それを理解できない人のことまで面倒見れません。現実を受け入れられない人の面倒を見るのは宗教とかその他諸々の人のお仕事と思いますが新聞記者様にはご理解いただけないのでしょうね。治療できない人や治療の必要ない人のお世話で、治療の必要な人への医療的介入がおろそかになるリスクなぞ御想像もおよばないのでしょう。日経新聞といえど世の中の仕組みが理解できてないという一例。

それから厚労省の医療事故調の記事。悪質性が強くない限り警察への通報なしとかいう話。人間が死ぬことが前提でない航空事故や交通事故と、放置すれば死ぬ人を相手にしている医療とが全然違うということをマスゴミ様にも早く理解してほしいですね。こっちからしたら人が死ぬのは当たり前のことなんですけどね。てーかこの世の中で唯一確実なことがあるとしたら、人間いつか死ぬということだけです。プロレスラーじゃなくてもいつかは死にますから。