『ノーフォールト』

ノーフォールト

有名な本です。
twitterで医療クラスタに勧められたので読むことにしました。
迫力があって面白いです。

勤務医を続ける理由と続けられない理由が書かれていて、真実味がありすぎる。
以下ネタバレ。


色々あって主人公はドロッポすることを決意するのだが、結局大学という屈辱的な場所に戻ることになる。
もちろんそれは前向きな理由であってハッピーエンドなのである。
賛否両論あろうが、現役産婦人科医である著者にとってはハッピーエンドでなければならなかったのだろう。
エピローグはかなり蛇足。

個人的に気に入ったのは、婦人科担当の榎原医師を教授が手術指導する場面。
教授は、彼の後腹膜郭清の手技を見て、自分と同レベルに達していると感じるが、自分と同じと思ったときにはたいてい相手の方が上なのだと思い直すのだ。しかしその後の骨盤深部での出血のトラブルシューティングで教授たる所以を見せつけるのだ。外科医としては面白いところ。