『ランボー4 最後の戦場』

ロッキー・ザ・ファイナル』がシリーズの幕引きにふさわしい作品だったのに対して、本作は「まだまだやりまっせ」感があふれている。『最後の戦場』などという邦題を付けた人はきっと中身を見ていないのだろう。

ビルマ将兵がこれでもかこれでもかと悪として描かれる。そして最後には見事にブチ殺される。ビルマの民衆もえげつない殺されかたをして、絶対に同情しなければいけない存在として観客に突きつけられるのだ。

近頃の戦争映画は反戦メッセージをこめないといけないらしくて正直うっとおしい。
また敵も見方も兵士を一人の人間として描かないといけない。これは当然のことで、これぬきでは今時は想像力を欠いた平板な映画になってしまう。

本作はそんなことは一切無視した、「悪は悪、ランボー最高」という映画です。こんなものが現代において説得力を持つためにはランボーというキャラクター、スタローンという俳優が必須なのである。ランボー=スタローンは彼でなければできない完全超悪な作品を作り上げたのである。最高に楽しい戦争映画だったぜ。

「だれだってこんなところにはいたくない。だが俺たちのような人間には、こんなところにしか仕事はないんだ!」と一気に傭兵軍団の親分におさまってしまうランボーさんが最高に素敵だったぜ。