『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

丸の内ルーブルにて鑑賞。

エヴァの劇場版って本来はクソしょうもないものだったがわけだが、序と破でまっとうなエンターテイメントを作ろうという志も見えただけにこのしょうもなさはけっこう堪えた。

碇シンジのどうしようもなさゆえにアニオタきもち悪いという主張はさらに過激になっている。初日の終映後にオタどもが残テ唄って手拍子しようとしていたことに緒方恵美さんが不快感を表明したが、まさにそういうキモオタを全否定されている作品なんである。

以下ネタバレ。


冒頭からヘンテコな戦艦でてきてかなり世界観が変わっていることがよくわかる。碇シンジのガキっぷりには磨きがかかっているが、ミサトさんたちにまで存在を否定されておりこちらとしてもどう対処していいかわからん。もはや見るに耐えないのだがどうやら彼はいまだに主人公らしい。アニオタきもち悪いという主張はさらに過激になっているといわざるをえない。

挙句の果てにシンジはカオル君とよくわからないグダグダやらかすに至ってはもう寝るしかないのである。こんなしょうもないことにつきあわされても碇ゲンドウにとっては全部予定通りってのも泣けてくるね。

ゲンドウが全て予定通りといって物語を回収するのはいつものことだが、今回はその徒労感は並大抵のものではない。予定通りやったらこんな意味不明な(そしてクソしょうもない)映画作らんでよろしいやん。

観客にとってはただワガママな糞ガキもゲンドウの掌で踊っているだけとわかる徒労感。ゲンドウは庵野自身であって、14年間なにやってたんだろうという徒労感、もはやエヴァ以外作ることを許されない立場、そしてキモオタども。全てを否定したかったのだろう。まあそれでもキモオタどもは肯定するだろうけどね。