『世界の99%を貧困にする経済』
- 作者: ジョセフ・E・スティグリッツ,楡井浩一峯村利哉
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2012/07/21
- メディア: ハードカバー
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アメリカがいかに超格差社会かを解説した本。
この邦題はミスリーディングで不平等の代償とでもすべきであったね。
たとえば世界一非効率なUSの医療などはその代償の象徴といえる。
また先の大統領選挙で共和党のロムニー候補に投票したのはほとんど白人であったという事実もなにかこう不公平さが深刻だなと思わせてくれる。
本書の内容はおおむね納得できるものであったが、FRBのゼロ金利政策を銀行への補助金といってみたり、低インフレは債券保有者への利しているという一方で利息をあてにしていた高齢者の生活を脅かしているなどと言うのは坊主憎けりゃ感があるなあ。軍事産業のレントシーキングを批判しつつ、公共事業やれというのもちょっと違和感ある。
でまあ経済成長の果実をごく一部の富裕層が独占しているUSに比べて、ながりなりにも小泉政権期には景気拡大にともなって格差は縮小していたわけで、それはこの国のありがたいところだとも思ったのである。