『流転の果て ニッポン金融盛衰記 '85-'98』

流転の果て~ニッポン金融盛衰記’85→’98 <上>

流転の果て~ニッポン金融盛衰記’85→’98 <上>

流転の果て~ニッポン金融盛衰記’85→’98 <下>

流転の果て~ニッポン金融盛衰記’85→’98 <下>

プラザ合意から拓銀破綻までを元日経新聞の記者が同時代史的に描く。

本書の味方に依拠すれば、三洋証券と拓銀の破綻までに公的資金を注入してソフトランディングさせるチャンスは何度かあった。しかし政治家の旗振りとマスコミの後押しがなくて大蔵官僚は動けなかった。そして終盤に進むにつれ、システミックリスクが現実化しつつあったがもはやどうすることもできなかった、というような諦念、無力感が繰り返されるようになる。

読み終えて虚しさと腹立たしさがこみあげてきた。著者は政治家(特に武村正義)とマスコミの不作為を批判している。