『犯意なき過ち』

検証バブル―犯意なき過ち

検証バブル―犯意なき過ち

こちらもバブルの生成から拓銀長銀の破綻までを検証したもの。春山昇華さんご推奨の一冊。

『流転の果て』は著者の自分語りが混じっていたり、出来事が羅列的に述べられたりしていて、ずいぶんと散漫で読みにくい。それに比べると本書はテーマごとにまとまっていて、かつ客観的なのですんなり頭に入ってくる。しかしマスコミが国民や政治家をミスリードした可能性については一切触れられていないのが残念。『流転の果て』は読みにくくても、そういう著者の思い、反省、無力感が痛いほど伝わってきて、読み物としての訴求力は断然上だと思う。